もちもち日記

上の子(小2/女の子)と,そのうちもしかしたら下の子(未就学/男の子)の学力面での育成関連メモ。

桜蔭 文化祭(参加)

中高一貫校の文化祭に参加し始めて4週目,いよいよ桜蔭だ!桜蔭の文化祭を適切に回るために3週間練習してきたといっても過言ではない!桜の陰の学校の噂は30年前の母校でも聞いていたが,ついに見ることができるときが来た!(「小学生の女の子を持つ親」にならない限り入場資格がないからな…)。気分は聖地巡礼

娘氏は3週間の練習の成果として,文化祭は焼きそばやお菓子を買って食べるイベントだという認識を改め,文化部の活動を見るものというモードになりつつある。といっても化学実験ショーを見て(説明は聞かずに)面白がっているだけなのだが。 文化祭は食べ物やお菓子を買うもの,という印象はたぶん駒場祭や五月祭でずらっと並んでいる模擬店のせいなので,あのテニサーやら○組やらが出す模擬店は隔離空間でやってほしい…。

2日目午前の予約なので朝早くに出撃する。水道橋に到着する電車に桜蔭のような校章を付けたジャンパースカートの中高生が結構たくさんいる。水道橋駅を出ると信号待ちで集団になっている。どうやら登校時刻と重なったようだ。ということは桜蔭に通う場合は今日のような時刻に家を出る必要があるのだな。

制服というと,桜蔭は数年前にスラックスを導入して昔からのジャンパースカートと選択可能になり,LGBTQでない生徒も実用性を重視して(自転車に乗りやすいとか,家で洗濯できるとか)注文していたという記事をどこかで読んだ気がするけど

dot.asahi.com

自分が見た範囲ではスラックスの生徒は確認できなかった。

桜蔭に向かう途中,向こうから駅に戻ってくる生徒がちらほらいる。もしかして,登校を完了したので抜けてどこかに行く生徒?9月第4週の日曜だから模試とかかもしれない。

坂を上っていると,娘氏が「この坂無理!この学校通えない!」と仰る。歩いたり走ったりするのが苦手な娘氏として予想通りの反応。でもこの坂がだめだと,この辺はこんな坂ばっかりだから,桜蔭は回避しても東京大学に行くのが難しいんじゃないかな…本郷三丁目駅東大前駅を使うなら高台側に出口があるから通えちゃうかもしれないけど。

学校の門からぐるっと行列ができるという事前情報通りで,警備員さんが立っていて指示通り遠回りでぐるっと回って並ぶ。早く来たので並んでいるのはまだ20人くらい。蚊がいるので(そして娘がちょっと刺されたので)虫除けはしてきたほうがよかった。また,紙のリストバンドをもらって手首に付けるのだが娘氏は堅い痛いと言っていたので,ハンカチを巻いてから付ける的な小細工が必要だったかもしれない(手間のかかる娘だ…)。

開始15分くらい前に受付開始。在校生家族や招待者とミライコンパス者は受付が別。文化祭のプログラムをもらって建物の入り口の方に行列を作って並ぶ。プログラムはシンプルだがわかりやすい。挿絵はあんまりうまくない:)

プログラムを見て気づいたこととして,桜蔭の文化祭には「学年有志」の企画はあるようだが「クラス展示」がないようだ。クラス展示がなく有志・文化部の展示だけの文化祭に来たのは,自分の母校以外で初めてだ。桜蔭は結構すごいかもしれない。

娘氏と,どの企画の整理券をもらうか検討する。第1候補は茶道部だったが,もらいに行くのがサイエンスストリートから遠そうだったので第2候補のプラネタリウムにした。ちなみに,コロナ禍でなくなっていたらしい料理部の模擬店も復活しているようだ。

09:00入場開始とともにプラネタリウムの整理券をもらいに向かう。天文部は5Fのようなのだが,4Fから5Fに行ける階段は限られていて,違う階段から行くと5Fに行けない。この罠にはまったが無事にプラネタリウムの整理券をもらうことに成功。娘氏は「銀河鉄道の夜」を選択。5Fまで来てふぅふぅ言っている娘氏,坂の件といい足腰を鍛えないとまずいのでは…。

サイエンスストリートに向かう。化学部・物理部・生物部と見ていく。プログラミング展示が何かの教育ツール上でのモノっぽかったのと,ロボット展示が教育用のロボットキットのモノっぽかったこと,そしてそもそもプログラミングがコンピュータ部/同好会でなく物理部のなかの一つの活動になっているところが,女子校らしいというか残念なところではあった(このへんはトップ校の桜蔭なら男子校相当でやっていそうと勝手に期待していた)。

化学実験ショーに娘氏は満足。物理部ではUFOキャッチャーロボットがよかった(あとで見ると大行列ができていた)。生物部ではカエルの解剖動画を見た(昨今はショーのためにカエルを分解すると諸々の観点でクレームが来るのかな)。生物部で興味深かったのは,代々受け継いでいるゾウリムシなるものがあるということと,ウーパールーパーや魚を飼っているというところだった。

サイエンスストリートの理科系クラブは意図的にウリにしている感じがあるので,他の一般的な文化部を見に行く。美術部の展示はそれなりにレベルが高かった。娘氏のお気に入りはタランチュラとサソリの造形。

たまたま通りかかった体育館ではバレーボールの試合をしていた。チーム間でネットを越えた打ち合いが成立していたのだけど,バレーボールの部活をしている人?それとも一般生徒? 自分の母校では体育の時間にバレーボールのラリーなんて成立しておらず,サーブがたまたま入ったらせいぜいレシーブ一発で終了みたいなパターンが半分くらいだったから,もし一般生徒なのだとすると桜蔭の生徒はすごい。

天文部のプラネタリウムでは機械が邪魔になって一部の方角が見えなかったのは残念だったが,驚いたのは担当の人(最初の自己紹介によると部長さん)が約20分間,何も見ずにソラで1人だけでしゃべり切ったこと。なかなか覚えられる量じゃないと思うので練習は相当なものだったと思う。娘も何も見ずにしゃべっていたのに気づいてすごいと言っていたし,話も面白かったとのことだった。

別の棟に移動すると,娘は文芸部の部屋で過去の部誌を読み始めて30分経過。部屋の展示では「汚れつちまつた悲しみに」の中原中也が特集されていたので何周か読みながら待っていたが,そろそろ予約していた管弦楽部の公演開始時刻が近づいてきたので移動を開始。移動途中で手芸部に入ってみると,ドレスの展示などもあってなかなか本格的で,娘氏も「ドレス作っているなんてすごいね」。娘氏は番の生徒さんが作っていた小物をもらいリュックに付けてご機嫌だった。

2日目を午前の管弦楽部チケット付きにしたのは,トータルでの滞留可能時間が最も長かったから(午前の人は基本的に12:30までだが,管弦楽部公演がそれを越える12:20~13:00で設定されている)でもあるが,弦があるのはさすが桜蔭だからなのではないかと思ったから。バイオリンを習わせるのは結構な金食い虫のはずなのでw

最初に観客のツカミ用であろう銀河鉄道999の曲から始まり,クラシックの曲へと続く。中1の部員は21人,本公演で活動終了するという高2の部員は15人。桜蔭の1学年は235人だから結構な人数だ。おそらく部員全員がステージに入りきらないので,休憩も兼ねてだろうけど入れ替わりながら演奏している。

誰かのblogで「譜面を見ずに演奏しきるのはすごい」と書いている人がいて,確かにちゃんと練習してはいるのだとは思うが,バイオリンの習い事の発表会だと幼稚園児でも5分くらい暗譜で演奏しているので,弦はそういうことができる楽器なのかもしれない。

3週間の練習のおかげで,桜蔭の文化祭では非常に密度高く回ることができたし,展示物のレベルも高かったので娘氏は大満足していた。

自分の感想としては,確かに展示のレベルは高いし生徒もしっかりしており,いい学校だと思うけれども,少し気になるのは渋幕の女子と比べると(明の星の女子と比べても?)大人しいように見えるというところか。文化部の活動も,「理系の多い女子校」の対外イメージとマッチするサイエンスストリートの理科部活(特に生物・化学)は活発なようだが,他の文化部が伝統的な学業学科系(数学部・ESS・文芸部)や「女子校ぽい」部(手芸部・料理部)などにかなり限定されてしまっているのが気になる。

女子校と共学の違いなのか,そうでないのか,もう少しいろいろな学校を回って調べてみたい。小4でJG,小5で渋渋を見られるまで結論は出ないかもしれないが…。